不眠症の原因cause
不眠症を引き起こす病気
不眠症の原因となる病気として知られているものは、まずは神経症一般です。
具体的にはうつ病と不安障害(神経性障害)、統合失調症が挙げられます。
これらのメンタルの病気の一症状として睡眠障害が出ている場合は、不眠症の治療だけをしても意味がなく、その根本を絶つ必要があります。
不眠症とストレス
神経症の原因となるものがストレスであり、反応性のうつ状態、不安障害、強迫性障害(強い不安やこだわりで日常生活に支障をきたす病気)を引き起こします。
ストレスが大きければ大きいほど、睡眠障害は起こりやすいと言えます。
仕事の上での立場や環境が変わるとストレスがかかりますが、よりストレスが大きいのは降格よりも昇進した場合です。
それだけ業務上のタスクや責任が重くなるため、睡眠障害に繋がりやすいといえます。
引っ越しなどで生活環境が変化することも原因の一つとなり、今までの住まいとは全く異なる土地に移ると土地勘がなく常に身構えている状態になるので、眠りにくくなる傾向があります。
ストレスの種類
ストレスの中でももっとも強力といえるのは、対人関係のストレスです。
仕事における対人関係のストレスとしては「セクハラ」「パワハラ」などがよく知られていますが、近年多くなっているのは逆に上司から放置される状態や丸投げされる状態です。
人手不足などにより一つの仕事にかかる人数が少なくなると、仕事密度が大きくなって閉塞感が生じ、疲れも溜まりやすくなるためビジーな状態に繋がります。
拘束時間の長さや仕事の密度の濃さからストレスが強くなり、不眠に繋がる傾向が広く見受けられます。
ただ、仕事上の対人関係でのストレスは仕事を休む、辞めるなどの対処が可能な場合もありますが、「配偶者とうまくいかない」「子供に関する問題が絶えない」などの生活環境でのストレスは、原因を取り除けない分症状が長引きやすくなり、より深刻になります。
不眠症になりやすい職業
リラックスして自分のペースで仕事ができることが一番理想の形であると考えると、規則性の強い仕事であればあるほど不眠の傾向は強くなります。
例えば看護師など、ある程度命令系統が明確な職場のストレス性は高くなります。
逆に命令系統が一定ではない場合もストレスが強くなり、出向業務に携わるSEの方などで、数年おきに出向先が変わってその度に現場の環境に慣れる努力を強いられる状態が続くと、より重症化するケースが多く見られます。
また職種は問わず、夜勤が多い方やシフト制の勤務の方は当然ながら睡眠覚醒が悪くなります。
不眠症によって発症する病気
別の病気の症状として不眠症が起きるケースとは逆に、不眠症を治療せずに放置することで別の病気が発症する場合もあります。
眠れない状態が続くと疲労が溜まっていき、その「蓄積した疲労」そのものがストレスになることが多くなります。
それが原因で発症する病気としては、心療内科系ではやはりうつ病、うつ状態が挙げられます。
内科系では、不眠が長引くと免疫機能が低下するということが立証されており、感染症などが起こりやすくなります。